2. 弥生時代から平安時代につづく古代集落 宝積寺・天神山下城遺跡
ここでは弥生時代から平安時代の住居跡、中世の墓域などがみつかりました。当該地は南東に低くなる斜面地で日当たりもよく、住居に適していたようです。また「瓦塔」と呼ばれる平安時代の土器で作られた塔(五重塔火)の破片がみつかりました。神奈川県内でも出土例は非常に少なく、鎌倉市内では初めての出土です。(鎌倉の埋蔵文化財20、平成29年刊より)
モノレール「湘南町屋駅」に向かう坂道の途中、山崎へ下る「江の島みち」の左手にこの遺跡がありました。老人ホーム建設に伴い約5,000m2が発掘調査され、77軒の居住址が検出されました。古墳時代の竪穴住居址が66軒と多数を占めますが、弥生時代から平安時代にいたる長い期間の集落であったといえます。古代瓦塔の出土や基壇を伴った掘立柱建物址によって古代寺院の存在が推測できる資料が確認されています。
(文責 天野 参考 第26回鎌倉市遺跡調査・研究発表会発表要旨)
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